こんにちは、姿焼です。
我が子には健やかに、何事も無く成長して欲しいと願いますが、不測の事態とは起きるものです。
今回は、その中でも「けいれん」と言うものがテーマです。
乳幼児~幼児、特に3歳位までのお子さんのいらっしゃるお母さん、お父さんに読んで頂きたいものです。
特にまだ経験したことの無いという方に知っておいて欲しいのです。
本題に入る前に
我々夫婦が経験したのは、娘の「泣き入り引きつけ」またの名を「憤怒けいれん」と言うものです。
聞いた事の無い人の方が多いでしょうかな?
私は名前すら知りませんでした、故に焦り、狼狽(うろた)えました。
本当に怖かったです。
冗談ではなく、娘が死んでしまうかと思いました。
失うかと思いました。
そんな話です。
知っておく事で、気持ちも対処も変わります。
それでは、よろしくお願い致します。
目次
泣き入り引きつけとは?
まず、記事を読む前に「泣き入り引きつけ」という物について私の知っている範囲で書いていきます。
私はお医者さんではなく、間違った知識を与えない様学術的な所はなるべく避けて説明致します。
ここではあくまで概要のみで、体験談は後程書いて参ります。
概要
乳幼児が大泣きした後、呼気(息をはいた)状態のまま、呼吸停止し、顔色不良、意識喪失し、全身の脱力(ぐったりする)やけいれんなどを起こす病態を「泣き入りけいれん(憤怒けいれん)」といいます。
一般社団法人 日本小児神経学会 「泣き入りひきつけは何故起こるのですか?」https://www.childneuro.jp/modules/general/index.php?content_id=13
「泣きすぎて痙攣を起こしちゃいます」ざっくりそんなイメージです。
しかし、子供はよく泣くものですよね?
「泣いたぐらいで痙攣起こすの?」
「なんでそうなるの?」
疑問と不安だらけでしょうが、少しずつ解消していきます。
原因
原因は様々で、強く泣くことで無呼吸となり、脳が一過性無酸素状態に陥り、意識消失と脱力やけいれんなどを生じます
一般社団法人 日本小児神経学会「泣き入りひきつけは何故起こるのですか?」
原因は1つではなく、多くは「脳の酸素欠乏」の様です。
子供に限らず大人もそうですが、大泣きすると「ヒックヒック」と通常の呼吸が出来なくなりますね。
泣きすぎて呼吸が上手くできず、脳に上手く酸素が供給出来ずに意識を失ってしまうと言うイメージです。
子供ですと呼吸器や脳もまだ未発達です。
尚更そういった異常も起きやすいものと考えます。
発症時期
発症時期としては、調べたところ6ヶ月頃~2歳頃、長くても3歳頃までとなっております。
頻度としては、その中の4~5%程度であり、比較的多い疾患です。
「原因」のところでも挙げた通り、脳が未発達で特に不安定な期間なのかと考えます。
成長と共に自然と発症しなくなるもので、4~5歳ではほとんど見られないものだそうです。
具体的症状
泣き入り引きつけの具体的な症状としては以下
- 呼吸が止まる
- 顔面蒼白
- 手足が突っ張りビクビクする
- 唇が紫になる
- 意識が無くなる
- ぐったりする
全てではありませんが、主にこれらのような症状が起こります。
全ての症状が、その場にいたら正気ではいられないようなものばかりです。
大丈夫なの?
こういった記事ですと、私だったら「え?お子さんどうだったの?大丈夫だったの?」と気になって内容が入って来ないので、緊急性や対処等を先に書いてしまいます。
あくまで、この疾患について知って頂きたい為の記事であり、体験談はより理解を深めるための物です。
ここの概要でどんな物なのか知って頂き
「あー、実際はそんな感じだったのね。覚えとこう。」
って感じで後述する体験談を読んでいただけると幸甚です。
それでは、話を戻します。
緊急性と言った所ですが、私が調べた限りの結論としては
「緊急性はそれほど無い」
と考えます。
「それだけ言っておいて?」
確かに、症状はビックリする程の物です。
しかし、症状自体も1分程度ですぐ治まり、脳波にも異常は出ず、後遺症も残らない様です。
「病気」と言うよりは「なるべくしてなるもの」というイメージです。
その子の身体に異常がある訳ではなく、子供の身体の作り上そうなってしまうものです。
つまりは、そんなに気に病むことではないと言う結論です。
これはあくまで、「泣き入り引きつけ」だった場合です。
場合によってもお子さんによっても違う症状や病気等も考えられますので、軽視はせず、気になる様でしたらお医者さんに診てもらうべきです。
なったらどうすればいい?
実際なったらどうすればいいか?
具体的に何をしたらいいか?
私も何もわかりませんでした。
思い出したくないのですが、その場にいたら、尚且つ知識がなかったら本当に焦ります。
何が起きたのか、何をすればいいのか、思考が止まります。
そうなって欲しくないので、以下にやるべき事をまとめます
- 体を支える(抱っこ)
- 意識を確認する
- 静かに”横向きに”寝かせる
- 痙攣の時間を測る(様子を見ながら)
- かかりつけの病院で診てもらう
まずやるべきは上から3項目ですね。
「これかな?」と思ったらやって下さい。
とりあえずの初動対応なので、ここからの状況に合わせてやる事は後述します。
1つ目から解説します。
体を支える(抱っこ)
まずは体を支えてあげてください。
「泣き入り引きつけ」かどうかは置いといて「痙攣か?」と思ったらでいいです。
全員がそうだとは言いきれませんが、引きつけを起こすと「意識が無くなります」ので、人形の様にバタンと倒れてしまいます。
周囲に物があったらぶつけてしまいますし、床に倒れても相当なダメージになってしまいます。
そうならないように、しっかりと支えてあげてください。
意識を確認する
前項の体を支えながら、子供の意識を確認しましょう。
声をかけて、反応が有るか無いか程度で十分です。
注意して欲しいのは、この際に反応が無いからと言って子供の体を激しく揺すったりしてはいけません。
脳が揺さぶられてしまいますし、脱力しているので首等に大きな負担が掛かります。
合わせて、目を見て焦点が合っているかどうかも見て下さい。
静かに”横向きに”寝かせる
反応や意識が無く痙攣、引き付けを起こしているようであれば、静かに”横向きに”寝かせて下さい。
意識が無いので、舌が喉に降りてしまったり、万が一嘔吐した場合に詰まってしまう可能性があるので横向きとなります。
痙攣の時間を測る
あとは、痙攣が起こってからの時間を計測して下さい。
出来るだけ正確な方が良い様です。
近くにキッチンタイマー等があれば、すぐにスマホのタイマーを起動出来れば、その方が望ましいです。
しかしながら、そのような状況下で一生懸命探すぐらいなら、感覚で構いません。
自分の中で数えて下さい。
この際、時間を測ると共にお子さんの状態もよく診てあげて下さい。
「泣き入り引きつけ」に関しては大体1分~2分程度で意識を取り戻す様です。
かかりつけの病院で診てもらう
痙攣から回復したら、予後を観察しましょう。
「泣き入り引きつけ」であればおおよそ当人はケロッとしているものです。
痙攣で体力を使うためか寝てしまう子もいるようですが、いつもと変わりがなければ問題ないものと考えます。
夜間や休診日でなければその日に、そうであれば次の日にでもかかりつけの病院で診てもらった方が私はいいと思います。
問題のない疾患とは言っても我々はお医者さんではないので正確な判断は出来ません。
救急車を呼ぶ程ではありませんが、予後なるべく早く病院に行くべきです。
それ以外の場合
前述した様に「泣き入り引きつけ」の場合は緊急性はそれ程ありません。
しかし、それ以外の場合の可能性も否定はできません。
あくまで慌てない様にと言う思いを込めてはおりますが
「なーんだ、泣き入り引きつけじゃん」
等と軽い気持ちで考えないで下さい。
ちょっとでも「おかしいな」「何か違うな」と感じたら迷わずかかりつけの病院に連絡です。
夜間や休診日であれば119番でもいいと私は思います。
では、「それ以外」とはどんな状態でしょうか?
考えられるものを以下に挙げていきます。
- 痙攣が治まらない
- 激しい嘔吐を伴う
- 一度治まっても、また繰り返す
- 痙攣は治まったが意識が戻らない
- 頭が痛い等と訴える
- 手足に麻痺が残る
- 寝て起きた後の様子が違う
先程「痙攣の時間を計測して下さい」と言ったのもその1つです。
通常1~2分程度で治まるはずの痙攣が治まらない場合。
何分過ぎたら良くないのか?というところですが、私が調べた限りでは明確な時間は分かりませんでした。
しかし、2分経過した程度で痙攣が治まる気配が無ければ連絡して下さい。
また、上記の様なその他の症状がある場合も連絡して下さい。
「痙攣」とひとくちに言っても様々な症例があるので一様に判断するのは難しいものです。
泣かせられない?
「泣かせるのが怖くなった」
「そんなことが起こるなら泣かせられない」
私もその後は泣かせるのがとても怖かったです。
「またなるんじゃないか?」と思い臆病になっていました。
しかし、そんなに臆病にならないでください。
なんと言っても子供はよく泣くものです。
泣かせないようになんてほぼ不可能です。
泣かせられないなら、何もさせられないし、親としても躾(しつけ)が出来なくなってしまいます。
先にも言った通り、泣き入り引きつけは「緊急性がほとんどない疾患」です。
思いっきり泣かせろと言う訳ではありません。
転んで泣いた、注意したら泣いた、やりたい事が出来なくて泣いた。
仕方ないのです。
ただ、泣いてしまったら優しくあやしてあげてください。
それが一番の対応かと考えます。
以上が「泣き入り引きつけ」の概要となります。
何となくでも分かって頂けましたか?
知らなかった人には知っておいて欲しいし、知っている人も再度確認になるかと思っております。
ただ、ここまでは私が調べた内容をただまとめただけですので皆様も頑張って調べれば理解できる範囲です。
しかし
「なったら実際どんな感じなの?」
という所はそういった医療機関のものでは分からないと思いますので、娘が「泣き入り引きつけ」になった際の状況を書いていきます。
娘が「泣き入り引きつけ」を起こして
ここからは実体験です。
娘は2歳になる少し前に「泣き入り引きつけ」を起こしました。
その当時の状況や何をしたか等を書いていきます。
前述した概要と合わせて、実際どんなものかをより理解してもらえると幸いです。
起こす前の状況
まず、何をしててそんな事になったのか?
何をしていたかと言うと、娘をお風呂に入れておりました。
ここだけ聞いて、知っている方は
「え?もしかして熱性痙攣じゃないの?」
と思うでしょうが、症状も予後も異なるので別物です。
「熱性痙攣ってなによ!」って人は申し訳ありませんがググって頂けると助かります。
話を戻します。
いつも通り、娘をお風呂に入れていたのですが、ちょっとしたトラブルが…
よくある話ですが、シャンプーが垂れて娘の目に入ってしまいました。
まぁ、容易に想像出来そうですが、泣きましたね。
体感的にめちゃめちゃ泣いたか?と言えばそうでも無いのですが、そこそこ泣きましたね。
泣いていたのも2、3分だと思います。
とりあえず、また目に入らないようにシャワーで流してしまい、その後で泣き止ませ、湯船に入りました。
ここまでは普通でしたね。
泣いた後は機嫌良くお風呂で遊んでおりました。
問題は上がった後です。
発症の瞬間
症状は少しの兆候を現した後急に来ました。
「さぁ、上がろう」と、お風呂場を出て娘の体を拭いている時です。
お風呂上がりには「サッパリしたね」等と、毎回娘に何かしらの声をかけており、その度に「うん」と何かしらの返事をしてくれます。
しかし、この時は何も返事を返してくれませんでした。
(聞こえなかったのかな?)とも思いましたが、娘の顔を見ると視点が動かず、ずっと同じところを見ておりました。
これはおかしいと思い、少し声を大きく娘の名前を呼びました。
それでも反応が無く、直後顔がブルブルと小刻みに震えだしました。
いよいよマズイと思い、娘を抱き抱えて名前を呼んでいると、妻が「どうしたの?!」と慌てて来ました。
私も気が動転しており「分からない」と言う他ありませんでした。
2人共どうしたらいいのか分からず、娘の名前を呼び続けましたが痙攣が続くだけで全く反応がありません。
しかし、こうしてても仕方が無いと、リビングへ向かい、妻に娘を預け、私が119番通報しました。
(もう、どうしていいか分からないからこれしか無い)
と言う考えしかありませんでしたね。
電話のかけ始めが焦りのピークでした。
娘は泡を吹き、妻は「○○(娘の名前)が死んじゃうよー!!」と泣き出し、早く繋がってくれと思うばかりでした。
ホントに気持ちが潰されそうでしたね。
通報~救急車到着まで
ここで、万が一電話する際の参考になるかと思いますので、電話の中で救急隊の方とのやり取りを覚えている範囲で抜粋します。
- まず落ち着く
- 痙攣が起きたからと言って即死する訳では無い
- どの位時間が経ったか?
- 何をしていたか?
- 横向きに寝かせて様子を見る
こんな感じですかね。
まず最初に、声から察したんでしょうかね、
「落ち着いて下さい」
と言われました。
私自身そんなに焦ったりしない人間ですが、この時ばかりは焦りましたね。
なんたって自分の娘が死ぬかもって思ってるんですもの。
なるべく詳細に伝えなければと、頑張って頑張って自分を落ち着かせました。
「大丈夫です、痙攣が起きたからと言ってすぐに死んでしまうわけではありません。」
この言葉で冷静さを取り戻したと思います。
そこから、その時の状況を説明しました。
何をしている時か?痙攣は何分ぐらいか?今の状態はどうか?等です。
覚えようとしていた訳ではありませんし、焦っていたので結構曖昧だったと思います…。
その後は、具体的な処置の指示を受けました。
横向きに寝かせる、体が冷えないようにタオル等をかける(お風呂上がりだったので)、様子を見る等です。
処置をスムーズに実行する為には、しっかりと指示を聞く事と、実行したら「〇〇しました」等と逐一報告することが大切だと考えます。
そうこうしている間に、娘の顔色と呼吸が戻ってきました。
とりあえず、戻って来て安心はしましたが、何があるか分からないので緊張しっぱなしでしたね。
そこからは、娘の様子を見つつ、娘に服を着せつつ、病院へ行く準備をしました。
準備する物は?と言いますと
- 健康保険証
- 受給券
- お財布(お金)
- 母子手帳
- お薬手帳
- 着替え(靴もあった方が)
- オムツ(年齢により)
- タオル、ティッシュ等
- スマホ、携帯電話(連絡用)
最低限こんな感じかと思います。
あとは思い当たる物があれば必要に合わせて準備して下さい。
持って行って損することは無いので、やりすぎぐらいでいいと思いますよ。
救急車到着~病院へ
住所こそ連絡はしておりますが、場所によって分かりにくかったり、狭い路地等で駐車スペースがなかったりする場合があります。
そうなると、救急車の到着が僅かに遅れてしまうなんて事もある様です。
そこで、救急車を「誘導」する事をオススメします。
子供を見てくれる人がいる場合に限られますが、その場を離れられる人は救急車を近くまで誘導してあげて下さい。
「少しでも早く!」という思いがあればやるべきです。
私も玄関付近で待機して、救急車が近くに来たら身振り手振りで誘導しました。
そして、救急隊の指示の元娘を家から救急車へ。
その頃には娘の意識も呼吸も普通通りに戻っておりました。
救急車に乗せた際に救急隊の方から幾つかの質問を受けました。
電話で回答したものと同じものですが、更に詳しく聞く感じですね。
何をしている時?→お風呂に入っている時→どの位入っていたか?みたいな感じですね。
やはりお風呂と聞いて、救急隊の方も「熱性痙攣」を疑っておりました。
しかし、体温等を聞いて「うーん、違うかな?」となってましたね。
そして、質問を終えると妻が娘に付き添い病院へ向かいました。
私は後から続くように自家用車で病院へ向かいました。
初めて行く病院だったのでナビを駆使して何とか着きました。
今だと、スマホでもナビを見れるので余り気にする程でもないと思いますが、緊急で対応してくれる病院はかかりつけの場所とは違う事も多いものです。
行く際は事故等に十分注意して下さい。
焦っている状況ですので、尚更ですね。
到着~診察
病院に到着後すぐに診察を受けました。
娘は「なんでこんな所にいるだろう?」みたいな感じでしたね。
診察内容は覚えてる範囲で以下のようなものでした。
- 体温
- 心音
- 採血
レントゲンやCT、MRIの様な特別な検査は特にありませんでした。
診察の後、問診を受ける中で先生から
「もしかしたら、泣き入りひきつけかもしれませんね」
と言われ私達は、そこで初めて「泣き入りひきつけ」という物を知りました。
事象が痙攣だけなので、やはり先生としても「100%それ!」とは言い切れないようですね。
しかし、予後に目立った異常が無い点や、高熱が出ない等を考えると、大体の場合はそうだろうという見解との事です。
その後、採った血液の検査と予後の観察の為30分~1時間程度病院で待機しました。
ようやく気が楽になった我々は
「いやぁ、とりあえず何もなくて良かった」
「泣き入りひきつけなんて物もあるんだねぇ」
等と話しておりました。
娘は私の膝の上に座り、気になるのか周りをキョロキョロと眺めておりましたね。
最後に検査結果ですが、「異常なし」でした。
いやぁ、ホントに良かった…。
以上、覚えているまま伝える余りグダグダな文でしたが、これらが我々の経験したものです。
ホントに焦りましたし、ホントに怖かったです。
しかし、何故だかその夜は意外とぐっすり眠れました。
まとめ
今回は子供の「泣き入りひきつけ」というものについて書かせて頂きました。
如何でしたか?
まず、皆様知ってましたか?
知っているだけで、気持ちも対応の仕方も全然違ってくると思います。
頭の片隅にでも置いといて下さい。
知らないと私の様に知らないと焦り、狼狽え、適正な判断が出来なくなります。
ただ、「泣き入りひきつけかー、大丈夫な奴ね」等と侮らないで下さい。
全てがそうである保証はありませんので、その時もそうですが予後もしっかりと調べてもらって下さい。
今回の一件で、何も無く過ごせている事がとても幸せであると気付かされました。
泣いたり、笑ったり、ワガママ言ったり、遊んだり。
時に憎たらしい時も多々ありますが、愛すべき我が子です。
その時、その一瞬が今であり思い出です。
大切に過ごして行こうと強く思う次第です。
皆様も「今」を大切に過ごして下さい。
以上、姿焼でした。