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「絶対そうなるよね!」を実写化。マインクラフト/ザ・ムービー(A MINECRAFT MOVIE)レビュー。

「Welcome to Overworld!!」

と、いうことでこんにちは、姿焼です。
先日、私はもちろん、娘も大好きなゲーム“マインクラフト(Minecraft)”の実写化映画を家族で観てきたのでレビューしていきます。

まだ観ていない方への参考に、既に観た方へは共感に繋がれば嬉しいです。

「もしもゲームの世界に飛び込んだら?」を実写化。ゲーム×リアルを”たくみ”に表現。

マイクラ映画の最大の魅力はリアル×ゲームを巧み(たくみ)に表現している所だと思います。
人間をゲームに寄せる訳でなく、ゲームをめちゃめちゃリアルにする訳でもなく、混じり合えない要素をあえて中和させず、ギャップを残したまま作品にしているんです。

「そんなの違和感があるんじゃないの?」

と、思うじゃないですか?マイクラ映画はそこが面白いんです。

あらゆるゲームにおいて存在する「設定」。
これは、ゲーム内でのみ許させる仕様であり、リアルの世界だと「そんなわけないだろ」と感じるものも多々ありますよね?

マイクラで言えば

  • 夜来るの早すぎ
  • クラフトってどうやってるの
  • ボコボコ殴って木は切れないでしょ

等々、冷静になって考えると違和感やリアルとのギャップが沢山あることに気が付きます。
では、いざ自分がその中に入ったらどうなるか?を映像化しているイメージです。

「あるある」とか「そうだよね、そうなるよね」がギュッと詰まっていて、マイクラプレイヤーだけでなく、ゲーマーにとっても楽しい作品だと感じました。

ストーリーを持たない世界に与えられたストーリー。マイクラオリジンな作品。

「マイクラの映画化」と聞いて、多くの人が疑問に感じたのは「ストーリーがどんなものになるのか?」だと思います。
私も同じことを感じており、そしてその疑問があるからこそ事前情報全く無しで観に行きました。

出来る限りネタバレなく書いていきたいので、公式サイトに記載されている“あらすじ”や予告動画の情報のみでレビューします。

“謎のキューブ”の力で、マイクラワールドに転送された4人の仲間たち。

そこは考えたモノを何でも作れる不思議な世界・・・だけど、夜になると四角いモンスターたちが襲いかかり、世界はとんでもないことに!?

スティーブの力を借りて、4人はこの冒険をどうサバイバルするのか!?

マインクラフト/ザ・ムービー公式サイト[https://wwws.warnerbros.co.jp/minecraft-movie/index.html]

本題に戻りますが、本作は“マイクラオリジン”、つまり「マイクラってこんな始まりなんだね」を描いた作品に感じました。

マインクラフトをプレイしたことがある人なら知っているであろう、マインクラフトのプレイヤー、そして本作の主人公”スティーブ”ですが...
少し考えてみてください。マインクラフトの世界において、彼だけが”唯一の人間“ではありませんか?
ブタやウシなどの動物、ゾンビやスケルトンなどの敵、そして人間のようではあるがどこか異質な村人など。

様々なキャラクターは存在していても、人間らしいのは”スティーブ”のみ。
さて、なぜ“スティーブ”だけなんでしょうか?
よく考えたら違和感がありますよね?

ちょっとホラーテイストな紹介になってしまいましたが、この「なんで?」が描かれているのが本作、マインクラフト/ザ・ムービーです。
スティーブが何故?どのようにマイクラの世界に飛び込んでしまったのか?そして、どのように過ごしていたのか?を是非本編で確認してみて下さい。

また、スティーブがマイクラの世界へ飛び込む演出と、ゲームでのマイクラをプレイする瞬間をリンクさせると楽しいかもしれません。
「あ、こういうことか!」と映画、ゲームの演出双方に合点がいくと思います。

「ゲーム内でのプレイヤーであるスティーブ」

「ゲームをプレイしているあなた自身」

この2つのリンクする感覚が、マイクラ映画というゲームの映像化作品、そしてマインクラフトというゲームの楽しみ方をより一層味わい深いものに変えてくれると思います。

映画を観た後は、きっとあなたも“マインクラフト”で遊びたくなるはず!

ありふれたストーリー。だけどそれがまた良い。

本作の主役は“スティーブ”を含めた5人ですが、それぞれ年齢も性格も様々。
そんな5人が協力してマインクラフトの世界を生き抜く…本作はそんな概要です。

ストーリーの大筋としては「ありふれたサクセスストーリー」のように感じました。
特に洋画でよくありそうな感じでしょうか。
もしかすると、観た人の中には、悪く言えば「内容が薄い」と感じてしまう人もいるかもしれません。

しかし、この「ありふれたストーリー」で良い、むしろこの「ありふれたストーリー」“が”良いと考えております。
それは大きく「ストーリー以外の部分を楽しめるから」です。

本作は、ゲームの実写化映画。
私としては、ゲームっぽさ(雰囲気)や、演出、そして最も大きいのは「没入感」を感じるアトラクションの様なものだと思っております。

有名なテーマパークのライド系の乗り物に乗った感覚に近いかもしれません。

ゲームの中に、その作品の中に身を投じる感覚を楽しむ。
そんな作品だからこそ、ありふれたストーリーがしっくりくるのかもしれません。

本来無い座席に上手に設けられた悪役。

やはり、アクション映画に必要なのは“ヴィラン”、そう“悪役”ではないでしょうか。
では、マンクラフトの悪役と言えばどのキャラクターが思い浮かぶでしょう?

エンダードラゴン?ウィザー?ウォーデン?

どのキャラをピックアップしても、実際のところ“悪役”とはまた違うような気がします。
そう、多分悪意がないんです。

映画や漫画、アニメなどの作品における悪役は、凡そ「こうしてやろう」という明確な悪意をもって事を成そうとしていることが多い印象を受けます。
主人公とは相反する思想を持ち、敵意を向け、悪事をはたらく。

マイクラ映画には、そんな悪役が登場します。
遠くはなく、意外と近くに、そして強大な敵がスティーブ達の前に立ちはだかります。

ゲームの仕様上敵にもなりえるし、ストーリーの進行上、位置関係的にも丁度良く、上手に配置された悪役だと感じました。
また、しっかりと悪役らしく「主人公と相反する思想を持っている」ところもポイントですね。

悪役が一体何を目論むのか、何をするのか、そしてスティーブ達はどう立ち向かうのか、是非本編でご確認ください。

音楽、アクション、歌?まるでアトラクションのような臨場感のある演出の数々

本作、マイクラ映画は「観る」というよりも「楽しむ」という感覚に近いかもしれません。
アクション要素がとても多く、胸が熱くなったり、ハラハラしたり、ドキドキしたり、感情のアップダウンが凄まじいんです。

そして、演出を盛り上げる音楽。自然と身体がノってしまったり、なんか不安になったり、手に汗を握ったり、一つ一つの描写をより一層明瞭なものにしてくれます。楽しいところはより楽しく、寂しいところはより寂しく、音楽が演出に与える影響力の大きさがよく分かりますね。

あと、私的に本作で印象深いのは「歌」です。

「歌?マイクラで?」

そう、マイクラで歌なんです。マリオ映画でもクッパが歌っていた「Peaches」が頭から離れない人も多いかと思います。
まさにそれです。スティーブの歌唱力がめちゃめちゃ高いんですよ。

吹替版の声優は“山寺宏一”さん、そう、山ちゃんです。

作中ではスティーブが何度かその歌声を披露するのですが、内容が一瞬飛びそうになるぐらい印象的でした。
きっと、あなたも映画を観た後には耳にこびりついていることでしょう。

もしかしたら、チキンが食べたくなっているかも?

総評:正規ルートではないが完成度の高いゲーム実写作品で面白かった

本作、マイクラ映画【マインクラフト/ザ・ムービー(A MINECRAFT MOVIE)】の総評として、とても面白かったです。

多くの人が思い描く正攻法の実写化ではありませんでしたが、実際観た後では最適解であるように感じましたし、エンターテインメント性が高くとても楽しく観ることができました。

ゲームとリアルを調和させ過ぎることなく、ギャップを残してるからこそ表現出来る世界観がゲーム好き、マイクラ好きの私にはハマったのだと思います。

「ゲームってそうだよね」「マイクラってこうだよね」を感じつつ、マイクラの世界観に入った没入感を楽しみつつ、スティーブ達の生き様を見届けてください。

やはり、ゲーム好き、そしてマイクラをプレイしている人には是非一度は観てほしい作品だと感じました。
内容がシンプルなので、子供は勿論、内容を全く知らない大人も楽しめると思います。

そして、観た後にはMinecraftで遊びたくなるはず!

私は家に帰って娘とマイクラしました。そんな作品です。
出来れば劇場でお楽しみいただけると嬉しいですね。

「Let's go to Overworld!! 」

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